イギリスのホールト知子先生からシェアいただきましたのでご紹介します。
以前、地元神戸珠算協会会員研修会でイギリスからオンライン講習会に
講師としてご講演もいただいた先生です。
私も、先生の取り組みにとても共感しています!
日本大使館からの補助金を、
ジャパンソサエティが得てプロの映像制作会社に作って貰った本格的なものです。
今学期中に学校の先生方でそろばんに興味のある方を募り、
夏休み明けの9月か10月頃からオンラインで学校の先生方向けに基本的なそろばんの使い方と教具としてどんなところで活用出来るかを説明するような講座を6週間程度の予定で開催するので、宣伝用に動画を活用するつもりです。
2021年からイギリスの小学校では100玉そろばんの20まで数えられるタイプのそろばんが低学年の2年生までの学年で教具として導入されました。
このタイプのそろばんは、1対1の数の把握や10になる数の視覚的な把握、
それから2つずつ、5つずつ、10ずつ数を数える時にとても有効だと思います。
また、海外では一般的な「考える教育」として100玉そろばんを使って7+6を表す時に色々な考え方が出来る
(5が2セットと2と1で13,又は20より3と4少ないと考えて13等など)ということを子供達に考えさせ、
それが全て正解であり色々な考え方が出来るのだという教育が行われています。
一方で、繰り上がりの理由や位取りについて、そして小数など様々な事を視覚的に見せてあげられる日本のそろばんに比べると
出来る事が限られており、20までしか数を表せないという限界があります。
この為、低学年で100玉そろばんが導入されたなら3年生以上の高学年では大きな数や小数を学ぶのだから、
そろばんが教具として導入されたら子供達が算数を嫌いになってしまうタイミングにそろばんを使ってもらうことで視覚的に数の概念や位取り、
繰り上がりや繰り下がりの理由から小数と分数の関係などをそろばんを通して理解してもらえるので、
子供達が早い段階で算数に苦手意識を持ってしまうことを防げるのではないかと思っています。
また、1つの桁には9までしか入れないという世界で唯一、十進法の形を可視化する事が出来るそろばんを教具として使ってもらう事でイギリスの子供達に、
十進法って実はどこの桁も同じ構造で簡単なんだと感じてもらいたいのです。
また、十進法の形が理解出来れば何進法でも理解が出来るということも
子供達に感じてもらいたいと思っています。
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ホールト知子先生プロフィール
イギリス在住。実家が東京都世田谷区そろばん塾。イギリス人の夫。娘、息子
の母。
日本では大学卒業後プログラマー、26歳の時に1年間休職制度を使ってカナダの
バンクーバーへ語学留学。1年後帰国してからは同会社で翻訳通訳系の仕事渡英
後は約10年間、三菱東京UFJ銀行のバックオフィスで内部管理を担当し、ヨーロ
ッパの各支店へ事務指導やRisk Assessmentの指導で毎月出張へ行く日々を過ご
す。当時バックオフィス現地採用の日本人女性ローカルスタッフ第一号の役職
者。娘の通う学校の副校長の勧めで学校での有料クラブを開催。あまりの生徒
達からの反応が良かったのを見て銀行を辞めることを決意。銀行からは週1勤務
でも良いから辞めないで欲しいと言われたが、教材等も全て英語で一から作る
必要があり、銀行では部下もいた為、両立は無理だと判断し1ヶ月の引継ぎ期間
を経て退職、小学校と自宅でそろばんクラブを始める。そろばんを広める為、
他の小学校へも大そろばん一つ持参で営業活動をしている。小学校3校、日本語
学校1校と自宅で指導をしていたが、コロナの関係でオンラインレッスン現在9
割となっている。
全国珠算連盟2022年度研究集会講師に決定。
ホールト知子先生が数学文化という雑誌の最新号「20周年特別版」でエッセイを執筆されていたので、
さっそく購入しました!
読むと、、、一言でいうと素晴らしく心打たれます!!!
様々なご経験のもと、広い視野で物事を進めておられ、あらためて先生の偉大さを感じたエッセイでした。
(代表 福岡)